札ばさみ、その4
金具を使わない札ばさみの試作がようやく落ち着きました。
前作と同じ革・ステッチで試作したので比較のため並べて撮影しました。
3作目からの主な変更点は表革の仕立てとフラップのサイズです。
表側の仕立て方は現行の「コバ薄、身モッチリ」仕様ですが、通常の二つ折り製品よりも少し「閉じ気味」が強くなるように型紙を作り直しました。(分かりづらくてすいません・・・)
またフラップへのお札の「引っ掛かり具合」を良くするため、両フラップの幅をセンター側へ3ミリ長くしました。(この3ミリが意外と大きいのです!)
内寸については3作目からの再設計にあたり、「1万円札が丁度納まり、お札が10枚程度収納できること。」を念頭に型紙を起こしています。
というわけで、早速1万円札を収納してみて。
続いて、お札を10枚収納した状態で。
フラップは薄さだけを求めると経年による「へたり」で使い勝手が悪くなってしまうので、薄く漉いた革を芯材として挟み接着し、表革の仕立てと同様にコバは薄く、身に少し厚みを持たせています。
そしてデザイン面の変更として、フラップ角の切り落とし形状をこれまでの「角丸」から「斜めカット」へ変更しました。
外寸は二つ折りの状態で横約100ミリ×縦90ミリ。
厚さは10枚収納した状態で二つ折りにし、最も膨らんでいる箇所で15ミリでした。
革が馴染んでくればもう少し薄く落ち着くかと思います。
金具を使わない札ばさみの試作はこれにて完了です。
定番品への掲載にはもう少しお時間をいただきますので、どうぞよろしくお願いします。