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ごあいさつ

ごあいさつ

北海道北見市でオリジナルの革製品を製作しています、小野寺企革(オノデラキカク)と申します。

革の裁断から仕上げまで、全ての工程を責任をもって一人で行っています。

簡略化や省略が可能な工程にこそ時間とひと手間を加えることで、細部にまで目の行き届いた丁寧な仕事ができるものと信じています。

「素材の良さと作り手の技術が共存するものづくり」を常に心掛けながらこれからも日々の製作に取り組んでまいります。

工房について

自宅作業場にて革製品の製作とwebサイトの運営(受注販売)を行っています。 店舗としての形は採っておりませんので、ご依頼の際は「Contact」ページのメールフォームからご連絡くださいますようお願いいたします。

■ 営業日 月 ~ 金曜日

■ 営業時間 10:00 ~ 17:00

革について

Waprolux

ドイツのタンナー、ワインハイム社(Weinheimer Leder)が製造する高品質な革を使用しています。

伝統的なクロム鞣しの工程とその後のタンニンによる再鞣しにより、ソフトな質感でありながら適度なしなやかさを備えています。

表面には型押し加工が施されており、耐摩耗性・耐水性に優れています。また顔料仕上げのため発色が良く色落ちしにくいという特徴があり、 普段使いの革製品に適した素材となっています。

タンニン鞣し革のような大幅な経年変化はありませんが、美しい状態を保ちながら、時間をかけてゆっくりと艶を増していきます。

ws_black

ブラック

ws_camel

キャメル

ws_taupe

トープ

糸について

Vinymo

縫製には皮革用に開発されたポリエステル製「ビニモ工業用ミシン糸」を使用しています。

摩耗に強く絹のような艶と発色が特徴で、手縫いとミシン縫いの両方で使用しています。

定番製品での革糸と糸色の基本的な組み合わせは以下の通りです。

ブラック 黒(№黒)
キャメル 白(№101) or キャメル(№109)
トープ 白(№101) or トープ(№174)
黒(№黒)

黒(№黒)

白(№101)

白(№101)

焦茶(№129)

焦茶(№129)

栗(№125)

栗(№125)

茶(№146)

茶(№146)

赤(№15)

赤(№15)

臙脂(№147)

臙脂(№147)

オレンジ(№2)

オレンジ(№2)

山吹(№104)

山吹(№104)

深緑(№31)

深緑(№31)

オリーブ(№136)

オリーブ(№136)

紺(№18)

紺(№18)

キャメル(№109)

キャメル(№109)

トープ(№174)

トープ(№174)

縫製について

手縫い

手縫い

革製品の縫製は主に手縫いで仕立てています。

手縫いを採用する理由としましては、やはり縫い目の美しさにあると考えます。

一針一針、糸の締まり具合を指先でコントロールしながら縫い進めますので、時間は掛かりますが粒の揃った美しい縫い目に仕上がります。

特に革小物は裏側の縫い目も目に映えますので、一手間加えてから手縫いすることで、裏側の縫い目も表側と同様の均一なラインに仕上がります。

また手縫いは一本の糸の両端に針を付け、縫い穴で糸を交差させながら縫うため、糸切れの際に連鎖的な解れを起こしにくいという利点があります。

ミシン

ミシン縫い

製作内容や材質によりミシン縫いの方が適していると判断した場合はミシンによる縫製を行います。

ミシンは手縫いに比べ何倍もの速さで縫製作業を行うことができますが、 縫い穴をあけながらの作業となるためやり直しがきかず、綺麗に仕上げるためには事前のセッティングが非常に重要になります。

素材の厚みや硬さに合わせた糸のテンション調整や押さえ金具の選択など、手縫い以上に細部への配慮が求められる作業です。

コバの処理について

切り目

切り目本磨き

革の裁断面を見せて仕上げる製法に切り目仕立てがありますが、 その中でも時間をかけて丁寧に磨き込みを行い、コバに美しさと耐久性を持たせる技法を切り目本磨きと呼んでいます。

裁断面を刃物や紙やすりで整えてから染料で着色し、水分と糊を含ませながら平滑になるまで磨きます。

その後蜜蝋と熱ネン・コテを使いコバを引き締め、さらに細かな番手の紙やすりで磨いて仕上げていきます。

擦れに強く軽度の摩耗であれば磨きなおしも可能で、植物タンニン鞣し革に用いることが多い技法です。

顔料仕上げ

顔料仕上げ

革の裁断面を専用の顔料でコーティングすることで美しさと耐久性を持たせる技法です。

裁断面を刃物や紙やすりで整えた後、顔料を薄く塗り、乾燥させてから紙やすりで削り表面を整えます。

この工程を何度も繰り返しながら顔料の層を重ねていき、熱ネンとコテで馴染ませながらまとめていきます。

顔料は一度に厚く盛ってしまうとコバから剥離しやすくなることがあるため、 時間はかかりますが、少しずつ顔料を重ねながら厚みを持たせていきます。

繊維の柔軟性が高いクロム鞣し革との相性が良い技法で、現在ワープロラックス製製品のコバの仕上げに採用しています。

ヘリ返し

ヘリ返し

一方の革の端を長めに取り、薄く漉いたのちに折り返し、コバ自体を包み込んで断面を見せる技法です。

切り目仕立てと異なりコバへの染色や磨き込みは行わず、熱ネンによる引き締めにより仕上げを行います。

見た目の柔らかな印象と触感の良さなどから、持ち手やストラップなどを製作する際にこの技法を用いています。

画像は「ヘリ返し合わせ」で仕立てた持ち手です。